神宮外苑地区まちづくり
神宮外苑地区まちづくり

4列のいちょう並木の保全

01施工段階の工夫

工事でいちょうの根を傷つけないよう、
丁寧に作業を行います。

施工イメージ 施工イメージ
【施工イメージ】いちょうの根系周囲の施工は、樹木医等立会いの下、手作業等丁寧な対応を行います。
施工対応検討
  • 施工に際しては、樹木医等の立ち合い・指導のもと、適切な施工対応を行います。
  • 施工範囲周辺に透水防根シート等を配置します。
  • 埋戻し箇所の土壌は、根系の発育を促進させるため、バーク堆肥等を含む改良土を埋め戻すことを検討します。
  • 埋戻し完了後は十分に水極めを行います。
  • 調査によって根が把握された範囲を明示しその上に重機等を置かないように配慮することで、根への負担を軽減します。

022023年までに
実施した措置

  • 2019年11月より一部のいちょうが他のいちょうと比較して落葉が早い状態であることを日常管理の際に確認しており、専門家・樹木医等の見解をふまえ施肥や土壌改良措置等の対応を実施しています。
    ※2023年3月より第二球場の解体工事に着手しておりますが、4列のいちょう並木周辺の工事は実施しておらず、一部のいちょうの樹勢の変化は本計画に起因するものではございません。
  • 2023年は明治神宮による日常管理の中で、西側の一部のいちょうに対して以下の措置を行いました。
    ①いちょうの周りのヘデラ(アイビー)等の除去
    ②いちょうの周りへの液体肥料散布
    ③いちょうの周りへの灌水

032024年に実施した
樹勢回復措置

  • 2024年もいちょう並木全ての芽吹きが確認されました。
    2024年4月から6月にかけて、専門家・樹木医等と相談のうえ、事業者にて以下の樹勢回復措置を実施しました。
対策の対象範囲

01ヘデラ・下草の除去

いちょうの根の上に植えられているヘデラは極めて生育旺盛な植物で、いちょうへの水分供給に伴う競合ストレスを避けるため、いちょうの根を傷つけないよう注意しながら下草とともに撤去いたしました。

除去前
除去後

02水圧穿孔による土壌改良

土壌調査の結果、土壌の硬さと固結部分の存在が明らかとなりました。対策として、いちょうの根がより伸長しやすい環境となるよう、いちょうの根を極力傷めずに土壌を膨軟化するための水圧穿孔による土壌改良を実施しました。

水圧穿孔の様子

03稲ワラマルチ設置

特に夏期の土壌の乾燥を防ぎ、秋期・冬期の保温のため、地表に稲ワラマルチを設置いたしました。

対策前
対策後

04灌水設備設置

いちょうの根に十分な水分を供給するため、自動で定期的に水分供給が可能な潅水設備を設置いたしました。

潅水装置
ホース敷設

05旧通路舗装基盤の撤去

現在のテニスコートが建設される前に敷設された旧通路について、根系伸長の分断・阻害の原因となっていることから、いちょうの根を傷つけないよう慎重に舗装基盤を撤去し、良質土にて埋戻しを行いました。

旧通路位置
着手前
旧舗装基盤解体の様子

06いちょう並木沿道店舗内ウッドデッキ設置

店舗テラス部分のインターロッキングブロックを撤去し、いちょうの根の生育環境改善のための水圧穿孔による土壌改良、さらに乾燥防止のための稲ワラマルチ・灌水設備の設置をした上で、いちょうの根への踏圧対策を目的として浮き床構造のウッドデッキへ変更いたしました。

設置前
設置後

042025年に実施した
樹勢回復措置

  • 2025年もいちょう並木全ての芽吹きが確認されました。
    2025年4月、専門家・樹木医等と相談のうえ、事業者にて以下の樹勢回復措置を実施しました。
対策の対象範囲

01水圧穿孔による土壌改良

2024年の措置と同様に、いちょうの根がより伸長しやすい環境となるよう、いちょうの根を極力傷めずに土壌を膨軟化するための水圧穿孔による土壌改良を継続実施しました。

水圧穿孔の様子
水圧穿孔の様子

02設置済み稲ワラマルチの整地

2024年の措置にて設置済みの稲ワラマルチについて、期間の経過や01の水圧穿孔に伴うワラの乱れに対する整地を行いました。

整地作業
整地後

03灌水設備点検

前回措置にて設置した灌水装置およびホースの点検を実施し、設備に問題がないことを確認できました。

灌水装置点検
ホース通水確認

05樹勢回復措置の
効果の調査

  • 01~04の措置の効果および長期的な経過を把握するため、以下の調査を実施いたします。

01幹周の計測

2024年4月に8本のいちょうに対してデンドロメーターを設置いたしました。
デンドロメーターは幹周を測定する観測装置で、幹周は樹体の状況が最も顕著に表れるため、いちょうの生長量の把握及び樹勢回復措置に伴う効果の確認が可能となります。
なお、デンドロメーターの設置によるいちょうの生育への悪影響はございません。

幹周の観測装置設置後の様子

02土壌水分の計測

西側1列のいちょう付近において、定期的に土壌水分計による土壌水分の計測を行うことにより、土壌水分の過剰・適湿・乾燥が把握でき、灌水間隔・灌水量が適正かどうかの把握が可能となります。

水分量測定の様子

みどりの全体計画

樹木の変化について

整備前
1904
現況 1904本
整備後
2,304
完成後 2,304本
本計画の中で、やむを得ず伐採をした樹木は、利活用を積極的に検討いたします。
※1 移植樹木や新植樹木の位置については詳細検討中であり、今後変更の可能性がございます。
※2 本ページにおける樹木本数は、樹高3m以上の樹木を対象としております。
※3 移植樹木には、移植検討樹木19本を含みます。
※4 本サイトでは聖徳記念絵画館前の整備を含む神宮外苑地区について掲載しております。なお東京都環境影響評価条例の手続きにおいては、聖徳記念絵画館前の整備は対象外です。

みどりの保全と創造について

4列のいちょう並木を守ります。

4列のいちょう並木を保全し、聖徳記念絵画館を臨む見通しの良い美しい景色を後世に継承します。

聖徳記念絵画館前の広場の再生

聖徳記念絵画館前の広場には新たな樹木が並び、聖徳記念絵画館を前景とした象徴的な2.5haの絵画館前広場を整備します。

中央広場の整備

ホテル併設野球場棟とラグビー場棟の間には中央広場を整備し、
オープンスペースの増加に寄与します。

新たな樹林地

隣接するエリアへの移植・新植によって御観兵榎周辺と対をなす新たな樹林帯を創出します。

みどりの散策路

地区を南北に貫く「みどりの散策路(2029年以降完成予定)」を整備し、
回遊性向上に寄与

※画像は2023年4月時点の完成予想イメージです。

みどりを皆で楽しむために

新たな神宮外苑地区のみどりを皆で創り楽しむ取り組みとして、
皆様から賛助金を募り新しいみどりを創っていく「令和の献木プログラム」を実施しているほか、市民参加型のイベントなどの施策の実施を予定しています。

詳しくはこちら
イベントについて
令和の献木プログラムについて

以下のデータについては
資料一覧のページをご覧ください。

  • 各エリアの想定樹種
  • 既存樹木調査データ
  • 樹木の取扱いの検討経緯
  • 審議会資料
  • みどりの増加に関する計画見直し内容(2024年9月公表)
※掲載のパースやイラストは計画段階の完成予想イメージであり、変更の可能性がございます。