神宮外苑地区まちづくり
神宮外苑地区まちづくり

(2024年9月9日掲載)2023年9⽉に東京都から要請を受け、施設計画の工夫や樹木の調査結果をふまえた計画の見直しを行いました。伐採本数を減らし、さらにみどりを増やす計画となります。

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完成後のみどりが増えます

3m以上の樹木の本数は、見直し前は1,904本から1,998本に94本増える予定でしたが、今回の見直しにより、完成後は2,304本に400本増えます。

01伐採される樹木を
減らします

以下により、伐採樹木は見直し前の743本から619本に124本減ります。

見直し後の伐採本数124本減少の内訳

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全体 内訳
新ラグビー場 絵画館前事業 その他
伐採から保存に変更(施設計画の工夫による変更) 66 9 57 0
伐採から移植に変更(樹勢回復等に伴う変更) 16 12 4 0
見直しによる伐採削減本数 82 21 61 0
枯損等による伐採予定樹木の減少本数 42 6 18 18
本計画における伐採削減・減少本数の合計 124 27 79 18

見直し後の伐採本数124本減少のエリア分布

※1 移植樹木や新植樹木の位置については詳細検討中であり、今後変更の可能性がございます。

01新ラグビー場の計画の工夫

新ラグビー場の敷地内の伐採本数は27本減ります(枯損などの6本を含みます)。

  • 新ラグビー場の北側部分を一部縮小することで、建国記念文庫のエリアの伐採予定の樹木9本を保存樹木に変更しました。
  • 2023年毎木調査をふまえて、樹勢が回復した樹木や、移植前の根の準備作業ができるようになった樹木など、伐採予定の樹木12本を移植樹木に変更しました。
    なお、新ラグビー場の周りの樹木に配慮し、新ラグビー場の高さを見直し前の約55mから約48mまで低くします。

※1 既存樹木の表示については、「当初計画」は2019年毎木調査、「変更後」は2023年毎木調査のデータに基づいており、樹木の生育等により、樹冠(●の大きさ)が各図で同一ではないものがございます。
※2 「変更後」の保存樹木には、今回の施設計画の工夫により、移植から保存へ変更した樹木が含まれております。
※3 樹高3m以上の樹木を表示しております。
※4 移植樹木や新植樹木の位置については詳細検討中であり、今後変更の可能性がございます。

02絵画館前エリアの計画の工夫

絵画館前エリアの伐採本数は79本減ります(枯損などの18本を含みます)。

  • 建物などの配置を変えたり縮小したりすることで、伐採予定の樹木55本を保存樹木に変更しました。
  • 丸池の周りの計画を変えることで、伐採予定の樹木2本を保存樹木に変更しました。
  • 2023年毎木調査をふまえて、樹勢が回復した伐採予定の樹木4本を移植樹木に変更しました。

※1 既存樹木の表示については、「当初計画」は2019年毎木調査、「変更後」は2023年毎木調査のデータに基づいており、樹木の生育等により、樹冠(●の大きさ)が各図で同一ではないものがございます。
※2 「変更後」の保存樹木には、今回の施設計画の工夫により、移植から保存へ変更した樹木が含まれております。
※3 樹高3m以上の樹木を表示しております。
※4 移植樹木や新植樹木の位置については詳細検討中であり、今後変更の可能性がございます。

POINT枯損等が生じた樹木について「枯損等」とは、樹木が枯れたり腐ったりすることで、枯損等が生じた樹木は安全管理上撤去が必要です。

  • 神宮外苑には、時間の経過で樹勢が弱まっている樹木も少なくありません。訪れる方々の安全を守るために、日々倒木や枝折れの対策をしており、これまでの15年間で約300本の枯損等が生じた樹木を撤去し、代わりに新しく樹木を植えるなど、樹木の更新を行っています。
  • 現況の樹木本数は、2018年から2019年にかけて実施した毎木調査を基にしていますが、その調査以降の約4年間で枯損などが79本(当初計画で伐採42本、保存32本、移植5本としていた樹木)生じています。
  • 今後も樹勢の弱い樹木を中心に、一定の枯損等が生じると思われます。もし保存予定の樹木や移植予定の樹木が枯損等でなくなった場合は、代わりに新しく同じ数の樹木を植えることで、豊かなみどりを将来にわたって創っていきます。

POINT樹木の伐採理由について

  • 1本1本の樹木を大切に扱い、できるだけたくさんの樹木を保存できるように計画していますが、現地保存が難しい樹木は、外苑内に移植します。
  • 「重点対策外来種※」「現在の施設の近くにあり、移植に必要な根の準備作業ができない」「樹勢等が弱っている」などの理由により移植ができない樹木もあります。それらの樹木はやむを得ず伐採しますが、外苑の地に戻すなど、伐採後に利活用する予定です。
  • 伐採樹木619本のうち、風致地区内の474本の伐採理由は以下の通りです。

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伐採理由本数
①重点対策外来種28
②既存施設に近接している樹木270
③樹勢等が弱っている樹木164
④土壌汚染2
⑤その他※10
合計474

風致地区内の伐採樹木の伐採理由

※2023年毎木調査では樹勢の回復や事業の進捗等により移植が可能と判断されているものの、今回施設計画を変更した新ラグビー場及び絵画館前事業の範囲外の樹木であるため、現時点では2019年毎木調査に基づく当初計画の分類のまま伐採樹木としているものです。今後施設計画が深度化した際、その時点の最新の調査結果を分類に反映いたします。

移植できない樹木の例

※重点対策外来種:2015年に環境省及び農林省が作成した「我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト(生態系被害防止外来種リスト)」において、「重点対策外来種」に指定されているトウネズミモチなどを指します。

02新しく植える樹木を増やします

さらに豊かなみどりを創るため、新植樹木を837本から1,098本に261本増やします。

01新ラグビー場

敷地東側は、南北に通じるみどりの散策路との連続性にさらに配慮し、絵画館前広場の樹木と対をなすように新植樹木を配置します。
また、南側は、滞留空間、歩行空間、ボリュームのある中低木植栽、明るい林床などメリハリのある空間を形成し、中央広場や新たな樹林地との一体性をより強くします。
これらにより、新植樹木の本数を当初計画の81本から212本に131本増やします。

02絵画館前エリア

創建された当時の広場を受け継ぎ、さまざまな種類・高さの樹木を植える考え方のもとで新植樹木の配置を見直し、新植樹木の本数を398本から528本に130本増やします。

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全体 内訳
新ラグビー場 絵画館前事業 その他
当初計画 837 81 398 358
見直し後 1,098 212 528 358
増加本数 +261 +131 +130 0

新植樹木本数の見直し

これらの見直しの結果、
樹木本数は当初計画から以下のように変わります。
変更の内訳については
動画でも解説しておりますのでご覧ください。
https://www.youtube.com/embed/NwL1CSbeC6c?si=x_no9-7tSxJjTC8V&start=102

※1 本ページにおける樹木本数は、樹高3m以上の樹木を対象としております。
※2 移植樹木には、移植検討樹木19本を含みます。

いちょう並木から
新野球場棟までの
距離を広げます

01いちょうの根の調査結果

  • 2023年1月と2024年1月の計2回、いちょう並木の西側一列の根の調査を行ったところ、いちょう並木の歩道の縁石から約17mを超える位置では直径30mm以上の根は確認されませんでした。

POINT
環境影響評価書においては「根系調査の結果、調査断面(1m×1m)において、直径30㎜以上の根が4本未満の場合には根を切断し、4本以上の場合には根に対して環状剥皮を行う。いちょうの健全な生育に影響を与えるような根が複数確認されたと樹木医が判断する場合には、樹木医の見解を踏まえ、施設計画の工夫等を行い、いちょうを保全する。」とする判断基準を設けています。

02新球場のセットバック幅の拡大と更なる根の保全方針

  • 調査結果をふまえ、いちょう並木の歩道の縁石から約17m離れた位置までを「根を守る範囲」とし、さらに約1.3mを根が伸びるスペースや工事のためのスペースとして確保する方針としました。
  • この結果、新野球場棟のセットバック幅を、約8mから約18.3mに広げる方針としました。いちょうの「根を守る範囲」は2倍以上に広がり、いちょうの生育にとってより良い環境になります。

当初計画

変更後

  • 根の調査はイビデングリーンテック株式会社が行っており、複数の樹木医等からの意見や第三者のセカンドオピニオンもふまえ、このような方針としております。
  • いちょうの生育環境をより良くするため、2024年4月より様々な樹勢回復措置を行っています。樹勢回復措置の具体的な内容については、本ページ下部および2024年7月26日付のリリースをご参照ください。

※根の調査の結果や更なる根の保全方針の詳細については、「イチョウ並木西側南北の根系調査(第1回)報告書」「イチョウ並木活力度等評価 年間調査業務報告書」「イチョウ並木西側南北の根系調査(第2回)報告書」をご覧ください。
※第三者のセカンドオピニオンの詳細については、「神宮外苑地区第一種市街地再開発事業に伴う4列イチョウ並木の西側1列の調査と保全策に対するセカンドオピニオン」をご覧ください。
※第三者のセカンドオピニオンの詳細については、「神宮外苑地区まちづくりにおける樹木の更なる保全と新たなみどりを創る取組みについて<補足資料>」の「2. (4)樹木医等の専門家の関わりについて」をご覧ください。

4列のいちょう並木の保全

01施工段階の工夫

工事でいちょうの根を傷つけないよう、
丁寧に作業を行います。

施工イメージ 施工イメージ
【施工イメージ】いちょうの根系周囲の施工は、樹木医等立会いの下、手作業等丁寧な対応を行います。
施工対応検討
  • 施工に際しては、樹木医等の立ち合い・指導のもと、適切な施工対応を行います。
  • 施工範囲周辺に透水防根シート等を配置します。
  • 埋戻し箇所の土壌は、根系の発育を促進させるため、バーク堆肥等を含む改良土を埋め戻すことを検討します。
  • 埋戻し完了後は十分に水極めを行います。
  • 調査によって根が把握された範囲を明示しその上に重機等を置かないように配慮することで、根への負担を軽減します。

022023年までに
実施した措置

  • 2019年11月より一部のいちょうが他のいちょうと比較して落葉が早い状態であることを日常管理の際に確認しており、専門家・樹木医等の見解をふまえ施肥や土壌改良措置等の対応を実施しています。
    ※2023年3月より第二球場の解体工事に着手しておりますが、4列のいちょう並木周辺の工事は実施しておらず、一部のいちょうの樹勢の変化は本計画に起因するものではございません。
  • 2023年は明治神宮による日常管理の中で、西側の一部のいちょうに対して以下の措置を行いました。
    ①いちょうの周りのヘデラ(アイビー)等の除去
    ②いちょうの周りへの液体肥料散布
    ③いちょうの周りへの灌水

032024年に実施した
樹勢回復措置

  • 2024年もいちょう並木全ての芽吹きが確認されました。
    2024年4月から6月にかけて、専門家・樹木医等と相談のうえ、事業者にて以下の樹勢回復措置を実施しました。
対策の対象範囲

01ヘデラ・下草の除去

いちょうの根の上に植えられているヘデラは極めて生育旺盛な植物で、いちょうへの水分供給に伴う競合ストレスを避けるため、いちょうの根を傷つけないよう注意しながら下草とともに撤去いたしました。

除去前
除去後

02水圧穿孔による土壌改良

土壌調査の結果、土壌の硬さと固結部分の存在が明らかとなりました。対策として、いちょうの根がより伸長しやすい環境となるよう、いちょうの根を極力傷めずに土壌を膨軟化するための水圧穿孔による土壌改良を実施しました。

水圧穿孔の様子

03稲ワラマルチ設置

特に夏期の土壌の乾燥を防ぎ、秋期・冬期の保温のため、地表に稲ワラマルチを設置いたしました。

対策前
対策後

04灌水設備設置

いちょうの根に十分な水分を供給するため、自動で定期的に水分供給が可能な潅水設備を設置いたしました。

潅水装置
ホース敷設

05旧通路舗装基盤の撤去

現在のテニスコートが建設される前に敷設された旧通路について、根系伸長の分断・阻害の原因となっていることから、いちょうの根を傷つけないよう慎重に舗装基盤を撤去し、良質土にて埋戻しを行いました。

旧通路位置
着手前
旧舗装基盤解体の様子

06いちょう並木沿道店舗内ウッドデッキ設置

店舗テラス部分のインターロッキングブロックを撤去し、いちょうの根の生育環境改善のための水圧穿孔による土壌改良、さらに乾燥防止のための稲ワラマルチ・灌水設備の設置をした上で、いちょうの根への踏圧対策を目的として浮き床構造のウッドデッキへ変更いたしました。

設置前
設置後

04樹勢回復措置の
効果の調査

  • 01、02の措置の効果および長期的な経過を把握するため、以下の調査を実施いたします。

01幹周の計測

2024年4月に8本のいちょうに対してデンドロメーターを設置いたしました。
デンドロメーターは幹周を測定する観測装置で、幹周は樹体の状況が最も顕著に表れるため、いちょうの生長量の把握及び樹勢回復措置に伴う効果の確認が可能となります。
なお、デンドロメーターの設置によるいちょうの生育への悪影響はございません。

幹周の観測装置設置後の様子

02土壌水分の計測

西側1列のいちょう付近において、定期的に土壌水分計による土壌水分の計測を行うことにより、土壌水分の過剰・適湿・乾燥が把握でき、灌水間隔・灌水量が適正かどうかの把握が可能となります。

水分量測定の様子

みどりの全体計画

樹木の変化について

整備前
1904
現況 1904本
整備後
2,304
完成後 2,304本
本計画の中で、やむを得ず伐採をした樹木は、利活用を積極的に検討いたします。
※1 移植樹木や新植樹木の位置については詳細検討中であり、今後変更の可能性がございます。
※2 本ページにおける樹木本数は、樹高3m以上の樹木を対象としております。
※3 移植樹木には、移植検討樹木19本を含みます。
※4 本サイトでは聖徳記念絵画館前の整備を含む神宮外苑地区について掲載しております。なお東京都環境影響評価条例の手続きにおいては、聖徳記念絵画館前の整備は対象外です。

みどりの保全と創造について

4列のいちょう並木を守ります。

4列のいちょう並木を保全し、聖徳記念絵画館を臨む見通しの良い美しい景色を後世に継承します。

聖徳記念絵画館前の広場の再生

聖徳記念絵画館前の広場には新たな樹木が並び、聖徳記念絵画館を前景とした象徴的な2.5haの絵画館前広場を整備します。

中央広場の整備

ホテル併設野球場棟とラグビー場棟の間には中央広場を整備し、
オープンスペースの増加に寄与します。

新たな樹林地

隣接するエリアへの移植・新植によって御観兵榎周辺と対をなす新たな樹林帯を創出します。

みどりの散策路

地区を南北に貫く「みどりの散策路(2028年以降完成予定)」を整備し、
回遊性向上に寄与

※画像は2023年4月時点の完成予想イメージであり、
2024年9月に公表した計画変更は反映されておりません。

みどりを皆で楽しむために

新たな神宮外苑地区のみどりを皆で創り楽しむ取り組みとして、
皆様から賛助金を募り新しいみどりを創っていく「令和の献木プログラム」を実施しているほか、市民参加型のイベントなどの施策の実施を予定しています。

詳しくはこちら
イベントについて
令和の献木プログラムについて

以下のデータについては
資料一覧のページをご覧ください。

  • 各エリアの想定樹種
  • 既存樹木調査データ
  • 樹木の取扱いの検討経緯
  • 審議会資料
※掲載のパースやイラストは計画段階の完成予想イメージであり、変更の可能性がございます。